津荷村(読み)つがむら

日本歴史地名大系 「津荷村」の解説

津荷村
つがむら

[現在地名]本宮小津荷こつが大津荷おおつが津荷谷つがだに

請川うけがわ村の東、熊野川が湾曲する岸の南北に位置する。東は東敷屋ひがししきや(現熊野川町)。永禄五年(一五六二)より天保一一年(一八四〇)まで書継がれた某寺算用状(湯川家文書)の永禄頃の記録に「津河向林庵」とみえる。慶長検地高目録によると村高一五七石余、小物成三・二〇六石。和歌山藩新宮領。

津荷村
つがむら

[現在地名]古座町津荷

古座浦の東方、北東から南に流れる津荷川の河口に位置。熊野街道大辺路に沿った村で南は熊野灘に面する。

慶長検地高目録によると村高一六〇石余。慶長六年(一六〇一)の津荷村御検地帳(津荷区有文書)が残る。これによると畝数一三町三反余、戸数二四、屋敷地は字まつばに一二、上の前うえのまえに六、池の下いけのしたに三、かりやのもとに二、寺の元てらのもとに一となっている。古座組に属し、「続風土記」には家数六〇、人数二五七とあり、村名の由来を「津荷はとがの古名なり、旧村中に樛の大木ありて村名となれるなるへし」と記す。農耕が中心であるが、一部で磯打網漁が行われた。慶安三年(一六五〇)の古座組在々郷組之覚(古座町教育委員会保管)によれば山方の村で、浦組制度による動員体制は家数二四、人数二六、通り印判一、舟数一〇とされている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android