洞洞(読み)トウトウ

デジタル大辞泉 「洞洞」の意味・読み・例文・類語

とう‐とう【洞】

[ト・タル][文][形動タリ]穴などがぽっかりとあくさま。また、黒々と奥深いさま。
薄紫にけぶる野末に大きな月が―と顔を出す」〈蘆花思出の記
こく―たる夜」〈芥川羅生門

ほら‐ほら【洞洞】

[副]中がうつろで広いさま。
「内は―、はすぶすぶ」〈・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「洞洞」の意味・読み・例文・類語

とう‐とう【洞洞】

〘形動タリ〙
① まじめでまごころのあるさま。誠実なさま。
陰徳太平記(1712)三二「報賽の礼洞々たり」 〔礼記礼器
② 穴などがぽっかりとあくさま。また、奥深く黒いさま。
即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉初舞台「わが視る所は譬へば黒洞洞(トウトウ)たる大坑に臨める如く」 〔水滸伝‐第一回〕

ほら‐ほら【洞洞】

〘副〙 中がうつろで空間のあるさまを表わす語。
古事記(712)上「内は富良富良(ホラホラ)

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普及版 字通 「洞洞」の読み・字形・画数・意味

【洞洞】どうどう

誠実のさま。〔礼記、祭義〕孝子の將(まさ)に祭らんとするや、~洞洞乎、屬屬乎(しよくしよくこ)として(た)へざるが如く、將に之れを失はんとするが如し。

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