泳回(読み)およぎまわる

精選版 日本国語大辞典 「泳回」の意味・読み・例文・類語

およぎ‐まわ・る ‥まはる【泳回】

〘自ラ五(四)〙
① あちこちと泳いで移動する。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一三「空しく片足と双手(もろて)をもて、只管(ひたすら)後の方へ泳(オヨ)ぎまわれど」
② 巧みに世間を渡り歩く。
※明治大正見聞史(1926)〈生方敏郎〉維新当時の滑稽外交「勝海舟といふ男は、幕府忠臣と明治政府の伯爵とを両天秤にかけて泳ぎ廻らうといふ人間であるのに」
官憲の目をうまくのがれる。
盛り場などにたむろして、あちこちとふらつく。
真理の春(1930)〈細田民樹たこ連中の游(オヨ)ぎ回(マハ)る銀座をさけて」
⑤ 考えが輪のように巡る。
青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏「頭は始終仄(ぽうっ)とした所を泳廻(オヨギマハ)って居る」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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