波佐見(町)(読み)はさみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「波佐見(町)」の意味・わかりやすい解説

波佐見(町)
はさみ

長崎県東彼杵郡(ひがしそのぎぐん)にある町。佐賀県に隣接する。1956年(昭和31)上(かみ)波佐見町と下(しも)波佐見村が合併して成立。西九州自動車道波佐見有田インターチェンジがある。町の基幹産業は陶磁器生産で波佐見焼の名がある。焼物起源は、慶長(けいちょう)年間(1596~1615)、藩主大村氏が朝鮮から同伴した陶工に、永尾(ながお)、三股(みつまた)、中尾(なかお)の三つの皿山(さらやま)をつくらせ、三つの皿山の中央部に皿山役所を置いて操業が始められた。町東部の中尾山には長さ170メートルを超す世界最大級の登窯跡があり、江戸時代大量の日用食器が日本全国、そして海外へと広まっていった。窯業関連の事業所65(従業者4人以上)、従業員964人、製造品出荷額約65億円(2020)。農業は米、ミカン、茶、肉牛の生産を主とするが、陶磁器生産に参加する兼業農家が大半を占める。町の中央部には長崎県窯業技術センターや波佐見温泉がある。肥前波佐見陶磁器窯跡は国指定史跡、皿山の人形浄瑠璃(じょうるり)は県指定無形民俗文化財である。面積56.00平方キロメートル、人口1万4291(2020)。

[石井泰義]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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