泉屋道(読み)いずみやみち

日本歴史地名大系 「泉屋道」の解説

泉屋道
いずみやみち

元禄一五年(一七〇二)幕府口利きによって西条藩の許可を得、新居郡立川たつかわ山中に開設された別子べつし銅山関係物資の輸送道路。

それまで別子の道路は、銅坑のある足谷あしだにから銅山どうざん川谷沿いに東進し、小箱越おばこごえ(一二五六メートル)を越えて、浦山うらやま川・せき川の谷を北へ下って、内海岸の宇摩うま天満てんま浦に達していた(宇摩郡の→天満道。この延長三六キロの大迂回路をこの新道に切り替えることができたのは、別子出銅増加策についての幕府に対する住友(泉屋)答申に基づく。住友側は、別子銅山本鋪ほんしきから西北進して、銅山越どうざんごえ(一二九一メートル)を経て、国領こくりよう川谷を下って、新居浜浦にいはまうらに達する最短ルートを熱望していたが、このルートは立川銅山本鋪を通過するから、別子・立川両銅山の輸送物資が入り乱れ紛争が起こるおそれがあるという理由で西条藩は許可しなかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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