油回転真空ポンプ(読み)アブラカイテンシンクウポンプ(英語表記)oil-sealed rotary vacuum pump

デジタル大辞泉 「油回転真空ポンプ」の意味・読み・例文・類語

あぶらかいてん‐しんくうポンプ〔あぶらクワイテン‐〕【油回転真空ポンプ】

油回転ポンプ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「油回転真空ポンプ」の意味・わかりやすい解説

油回転真空ポンプ
あぶらかいてんしんくうポンプ
oil-sealed rotary vacuum pump

回転式真空ポンプシリンダ内に油を少量封入し,回転子とシリンダの間に油膜を形成させることによって漏れを防ぎ,高真空度が得られるようにした真空ポンプ。油膜は潤滑油としても作用する。構造上センコ型 (カム型) ,ゲーデ型 (回転翼型) ,キニー型 (揺動ピストン型) などの種類がある。性能は使用する油の蒸気圧による影響が大きいので,蒸気圧の低い,よく脱気された油を使用する必要がある。また水蒸気などの凝縮性ガスを吸引すると,油に水が混入して性能が劣化する。到達真空度は1段で 10-2 トル程度 (1トル=133Pa) であり,小型のものが多い。より高真空を得るためには油拡散ポンプを用いるが,その補助ポンプとしても用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内の油回転真空ポンプの言及

【真空ポンプ】より

…また,特殊な例として多段遠心圧縮機を抄紙機用の真空ポンプに用いることがある。
[油回転真空ポンプ]
 20世紀初めにドイツの物理学者ゲーデWolfgang Gaede(1878‐1945)により開発され,高真空ポンプとして広く用いられている。このポンプは回転翼形(ゲーデ形),カム形(センコ形),揺動ピストン形(キニー形)の三つの型式に分類できる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」