沓浦(読み)くつのうら

日本歴史地名大系 「沓浦」の解説

沓浦
くつのうら

[現在地名]敦賀市沓

西にし浦一〇ヵ浦の一。南は常宮じようぐう浦に接し、東は常宮湾に臨む。建暦二年(一二一二)九月日付越前気比宮政所作田所当米等注進状(越前気比宮社伝旧記)に三ケ浦として大縄間おおのうま・沓浦・手浦たのうらをあげ、正安三年(一三〇一)・同四年の気比太神宮政所下文(秦家文書)にも「三かの浦」「三ケ浦」と記される。

右注進状は「沓浦田四丁二反百二十歩 敦賀郡内承元三年実検定」と記すが、慶長三年(一五九八)七月の沓浦御検地帳写(沓山本家文書)の「田畠屋敷合、五町五畝廿歩」と比べると、丈量単位の変更を勘案すれば耕地面積は約四〇〇年間にわずか一〇パーセントほどの増加をみたにとどまる。近世を通じて以後総検地はなく、地租改正後の明治一一年(一八七八)の田畑宅地は計一六町五反五畝一八歩である。慶長一一年頃の越前国絵図の村高七二・七三八石は同三年の検地の田畠居屋敷の分米合わせての額に等しく、塩田高四・六二石は含まれていない。正保郷帳(田方六七石余・畠方五石)元禄享保の各郷帳とともに不変で、天保郷帳では享保郷帳の外高分〇・三四二石を加えて七三・〇八石になっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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