沈殿・沈澱(読み)ちんでん

精選版 日本国語大辞典 「沈殿・沈澱」の意味・読み・例文・類語

ちん‐でん【沈殿・沈澱】

〘名〙
① 液体中のまじり物が底に沈みたまること。比喩的に用いて、不純なものが底によどむこと。また、落ちぶれること。
※玉石志林(1861‐64)二「此液を沈淀せしむれば、粗末先づ其底に集まる」
※河霧(1898)〈国木田独歩〉「如何に渠は零落するとも〈略〉埃芥(あくた)のやうに沈澱(チンデン)して了う人ではなかった」
② 液相中から固相が生成し沈降する現象、およびその沈降物。溶液中から溶解度の低い物質が粉末状ないしゼラチン状となって析出するもので、物質の分離精製・分析などに利用される。
※七新薬(1862)三「灰塩・諸酸・鞣質(タンニキュム)等は皆銗をして沈澱せしむ」
[補注]「沈殿」は「沈澱」の書き換え。

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