池辺吉十郎(読み)いけべ・きちじゅうろう

朝日日本歴史人物事典 「池辺吉十郎」の解説

池辺吉十郎

没年:明治10.10.26(1877)
生年天保9(1838)
幕末明治期の志士。熊本藩砲術師範の家に生まれる。藩校時習館に学び,幕長戦争小倉の役(1866)に戦功あり,京都詰公用人,熊本藩少参事を歴任,西郷隆盛,桐野利秋らと交流あり,帰郷して郷党の青少年を教育し学校党の勢力を養成した。明治9(1876)年の神風連の乱では,学校党の軽挙を抑えたが,翌10年,薩摩西郷軍が蜂起して(西南戦争)熊本に至るや,学校党を主力に同志700名余の熊本隊を率いて西郷軍に応じた。寺田,立山に奮戦したが戦況利あらず,銃創を被り,10月政府軍に捕縛され,同月26日,長崎で斬刑に処された。明治時代の政論家池辺三山はその子息である。

(福地惇)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「池辺吉十郎」の解説

池辺吉十郎 いけべ-きちじゅうろう

1838-1877 幕末-明治時代の武士,士族
天保(てんぽう)9年1月11日生まれ。池辺三山の父。肥後熊本藩士。明治3年藩少参事を辞して私塾をひらき,4年鹿児島に遊学。10年の西南戦争で士族700人をあつめた熊本隊の隊長となり,西郷隆盛に呼応して挙兵した。同年10月26日刑死。40歳。名は重章。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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