江淮平原(読み)こうわいへいげん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「江淮平原」の意味・わかりやすい解説

江淮平原
こうわいへいげん / チヤンホワイピンユワン

中国、江蘇(こうそ/チヤンスー)省北部の長江(ちょうこう/チャンチヤン)(揚子江(ようすこう/ヤンツーチヤン))下流部と淮河(わいが/ホワイホー)下流部との間にある平野。長江中下游(ちゅうかゆう/チョンシヤユー)平原の一部をなす。大運河、蘇北灌漑総渠(そほくかんがいそうきょ)、串場(かんじょう)河、通揚(つうよう)運河をはじめ無数の人工水路が縦横に走る水郷地帯であるが、黄海沿岸に近い部分はアルカリ土地帯で、土壌の脱塩に力を入れている。米、ワタ作地帯として知られ、紡織を中心とする軽工業も発達し、淮陰(わいいん/ホワイイン)、淮安(わいあん/ホワイアン)、塩城(えんじょう/イエンチョン)、揚州(ようしゅう/ヤンチョウ)、泰州(たいしゅう/タイチョウ)、南通(なんつう/ナントン)、儀徴(ぎちょう)、高郵(こうゆう)、興化(こうか)、東台(とうだい)、姜堰(きょうえん)、通州、如皋(じょこう)、泰興、靖江、江都(こうと/チヤントゥー)などの諸市がある。

[河野通博]

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世界大百科事典(旧版)内の江淮平原の言及

【江蘇[省]】より

…それが2~3世紀のころから北方の漢民族の移住が活発になって,年とともに繁栄し経済・文化の上で華北をしのぐようになったのである。
[河川,湖沼のひろがる沢国]
 平原部は黄淮平原,江淮平原,東部沿海平原と長江三角州とからなっている。黄淮平原は淮河故道(淤(お)黄河)以北にあるので淮北平原ともいう。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」