水圧管(読み)スイアツカン

デジタル大辞泉 「水圧管」の意味・読み・例文・類語

すいあつ‐かん〔‐クワン〕【水圧管】

水力発電所で、水車に水を導く急勾配こうばいの送水管。内側に高い水圧を受ける。ペンストック。水圧鉄管

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「水圧管」の意味・読み・例文・類語

すいあつ‐かん ‥クヮン【水圧管】

〘名〙 水力発電で、上部貯水池または水槽発電機の水車とをつなぐ管。水圧鉄管。導水管。〔電気工学ポケットブック(1928)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「水圧管」の意味・わかりやすい解説

水圧管
すいあつかん

水力発電に使用される設備で、上部の水槽、または貯水池から発電所の水車に水を導く鉄管。水圧鉄管ともいう。水車を停止したときには落差に相当する静水圧と、管内の流速の変化によって生ずる水撃圧とがかかるので、じょうぶな鉄管が必要となる。水圧管の種類としては露出式と埋設式とに大別できる。前者は一般に山の稜線(りょうせん)が選ばれるが、上・下流端をコンクリートブロックで固定し、その途中に伸縮継手(つぎて)を入れて温度変化による伸縮ができるようにしてある。環境対策から地下式発電所の建設が多く、水圧管も埋設式が多く採用されている。山梨県葛野川(かずのがわ)発電所は、地下トンネル3キロメートルの導水路を通り、水圧管路を経て有効落差714メートルの、最大160万キロワット発電する純揚水発電所である。水圧管の材料は通常溶接鋼管を用いるが、埋設式ではプレストレストコンクリート(PC)管や鉄筋コンクリート高圧トンネルなどが用いられる。

道上 勉・嶋田隆一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android