死切(読み)しにきる

精選版 日本国語大辞典 「死切」の意味・読み・例文・類語

しに‐き・る【死切】

〘自ラ五(四)〙
① 完全に死ぬ。
※歌舞伎・東海道四谷怪談(1825)序幕「もう死(シ)に切(キ)って、今際の際の一言さへ、叶はぬ事か、浅ましい」
② 死ぬものと、覚悟を決める。
※藪の中(1921)〈芥川龍之介〉「兎に角わたしはどうしても、死(シ)に切(キ)る力がなかったのです」

しに‐き・れる【死切】

〘ラ下一〙 (「しにきる(死切)」の可能動詞) あとに未練を残すことなく死ぬことができる。多く下に打消を伴う。
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝一六一時も早く楽に死度いと思ふが、何うも死切れないね」

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