武井ノ島(読み)むいのしま

日本歴史地名大系 「武井ノ島」の解説

武井ノ島
むいのしま

現町域の東端近く、字浜町はまちよう東端の岬の地先二〇〇メートル沖にある小さな岩島。大小二つからなり、周囲七二〇メートル。岬の海岸とともに恵山えさん道立自然公園に含まれている。「此所岩出崎ニテ海ヨリ切立通行ナラス」(蝦夷巡覧筆記)、「此処を舟に而通ると数十丈の絶屏有而、頗る風景よろしとかや」(「蝦夷日誌」一編)という景観であった。享保十二年所附に「むいの嶋」とみえる。「蝦夷迺天布利」に「ムヰの小嶋の近うなれば、しほくびのからかりし其潮瀬よりもいとはやう流て、荒河の岩波の来寄る音して、身もやすげなきこゝちせられたり」と記される。頭注に「ムヰは蝦夷のひる箕をいふ」「こゝにミヲといふ貝つものと鰒と戦ひし、童の島もの語あり」「こゝはムヰの黒塩」とも記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の武井ノ島の言及

【戸井[町]】より

…漁獲高の多いものは,コンブ,イカなどである。恵山(えさん)道立自然公園に含まれ,柱状節理の絶壁や奇岩の多い海岸線の続く日浦海岸や,下北半島突端の大間崎と向かい合う汐首(しおくび)岬,武井(むい)ノ島などの景勝地がある。国道278号線が通じる。…

※「武井ノ島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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