此方の物（読み）コッチノモノ

デジタル大辞泉

こっち‐の‐もの【^×此^▽方の物】

１ 自分の思うままとなるもの。「接戦も、ここまでくればもう此方の物だ」
２ この世のもの。
「此の頃は幽霊じみ、どうで―とは思はれぬ」〈洒・廓の桜〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

こっち【此方】 の 物(もの)

① 自分のもの。また、自分の思いのままになるもの。

※浄瑠璃・吉野都女楠（1710頃か）二「人のふところ・こしのまはり、手がさはるとこっちの物」

② (「こっち」は此の世の意) ＝こっちもの（此方者）

※洒落本・廓の桜（1801）二立「此頃はゆうれいじみてこっちのものとは思はれぬ」

こち【此方】 の 物(もの)

自分のもの。

※浮世草子・好色一代女（1686）三「我手を取給ふより手に入てこちの物になしける」

出典　精選版 日本国語大辞典