棟上(読み)むねあげ

精選版 日本国語大辞典 「棟上」の意味・読み・例文・類語

むね‐あげ【棟上】

〘名〙
① 家を建てるとき、柱・梁(はり)などを組み立て、その上に棟木(むなぎ)をあげること。また、それを祝う儀式。式の際に餠などまいた。上棟(じょうとう)建前(たてまえ)
※中右記‐承徳二年(1098)二月九日「今日関白殿引公卿殿上人向南京給、是明後月依興福寺棟上也」
板輿(いたこし)網代輿(あじろこし)などの屋根の棟を高くそらせたもの。棟立(むねたて)。棟立輿。
※簾中旧記(1521頃か)「御なりの事。正月二日は時の管領へ成り候。〈略〉上様は御むねあげに召し候」

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世界大百科事典(旧版)内の棟上の言及

【建築儀礼】より

…古代寺院の造営でも,基礎工事では鎮壇具を地中に埋めて安全を祈り,完成のときには造立供養(ぞうりゆうくよう)が行われた。平安時代以降の建築工事では,礎(いしずえ)(礎石を据えるとき),手斧始(ちようなはじめ)(事始(ことはじめ),木作始(きづくりはじめ)とも呼び,材木加工の開始),立柱(りつちゆう)・柱立(はしらだて)(柱を立てるとき),上棟(じようとう)・棟上(むねあげ)(棟木をのせるとき)が主要な儀式で,日時をあらかじめ陰陽師が卜占し,当日は建築工匠と工事関係者が工事場に集まって儀式を行った。手斧始では工匠が材木に墨糸で墨を打って手斧で削る所作を行い,上棟では棟木上に五色の絹や御幣を飾り,酒を供えた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」