棚倉(町)(読み)たなぐら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「棚倉(町)」の意味・わかりやすい解説

棚倉(町)
たなぐら

福島県中通り南部、東白川郡にある町。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)社川(やしろがわ)村、高野村、近津(ちかつ)山岡組合村と合併。JR水郡線、国道118号、289号が通じる。町域は八溝山地(やみぞさんち)、阿武隈高地(あぶくまこうち)、八溝山地に発する久慈(くじ)川低地からなる。また阿武隈川の支流社川が流れ、逆川(さかさがわ)地区は久慈川、阿武隈川の分水界をなす。1622年(元和8)丹羽長重(にわながしげ)の入部以来棚倉藩の城下となったが、8家16代の藩主(5万~10万石)が交代した。米作コンニャク果樹、野菜栽培など農業が主体であり、奥久慈林業地帯に含まれ、良材を産する。また、弱電、食品、縫製などの工業もおこりつつある。式内社の棚倉、八槻(やつき)の両都々古別神社(つつこわけじんじゃ)、棚倉城(亀ヶ城)跡、赤館(あかだて)城跡などがある。八槻都々古別神社の御田植祭は、2004年(平成16)に国の重要無形民俗文化財に指定された。面積159.93平方キロメートル、人口1万3343(2020)。

原田 榮]

『『棚倉町史』全9巻(1977~1983・棚倉町)』


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