梅染(読み)ウメゾメ

デジタル大辞泉 「梅染」の意味・読み・例文・類語

うめ‐ぞめ【梅染(め)】

紅梅樹皮や根をせんじた汁で染めること。また、染めたものやその色。赤みのある茶色のものを赤梅、黒ずんだ茶色のものを黒梅という。
梅襲うめがさね」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「梅染」の意味・読み・例文・類語

うめ‐ぞめ【梅染】

〘名〙
梅谷渋(うめやしぶ)で染めたもの。二、三回染めたものを赤梅、たびたび染めて黒ずんでいるのを黒梅という。室町頃から行なわれたものらしく媒染剤にはミョウバン灰汁鉄漿(てっしょう)石灰などが用いられ茶系統の濃淡種々の色相が得られる。
満済准后日記‐永享三年(1431)正月七日「四辻宰相中将来、梅染一重献之」

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世界大百科事典(旧版)内の梅染の言及

【染色】より

…和泉の酢と備後の酒は醸造業の興起としてとくに注目されているが,酢は染色とも無縁ではなく,諸産業の全般的な発達に伴って染色業も大いに進歩を遂げたと考えられる。たとえば加賀の梅染,遠江の茜染,播磨の搗染(かちぞめ)(紺染)などは,全国的な流通商品とはいえないが,梅染や茜染は上級武家の小袖や帷子(かたびら)に用いられたことが文献に記され,梅染の小袖帷子は加賀の守護富樫氏から例年公方(くぼう)に進上されており,品質的にも優れていたと思われる。播磨の搗染も飾磨(しかま)で染めたのが良品で,〈飾磨の搗染〉と和歌に詠まれるほどであった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」