20世紀日本人名事典 「桜田 一郎」の解説
桜田 一郎
サクラダ イチロウ
昭和期の高分子化学者 京都大学名誉教授。
- 生年
- 明治37(1904)年1月1日
- 没年
- 昭和61(1986)年6月23日
- 出生地
- 京都府京都市
- 学歴〔年〕
- 京都帝国大学工学部工業化学科〔大正15年〕卒
- 学位〔年〕
- 工学博士〔昭和6年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 毎日工業技術賞(昭24年度)「ビニロンの製造」,日本化学会化学技術賞(昭26年度)「ビニロンの研究とその工業的製造技術の確立」,日本学士院賞〔昭和30年〕「繊維素誘導体及び合成繊維に関する研究」,紫綬褒章〔昭和31年〕,毎日工業技術賞(昭34年度)「アロン製造技術の確立」,東レ科学技術賞(昭35年度)「合成繊維に関する研究」,勲二等旭日重光章〔昭和49年〕,文化勲章〔昭和52年〕,繊維学会功績賞(昭55年度),京都市名誉市民〔昭和58年〕
- 経歴
- 昭和8年京都大学講師、9年助教授を経て、10年教授に就任。14年、京大化学研究所にいた李升基らと協力して、日本初の合成繊維を完成、後にビニロンと命名。また高分子の分子量と溶液の極限粘度数を表す「桜田粘度式」を確立、独自のエックス線回析装置によって高分子の構造を解明し、高分子化学の発展に大きく貢献した。のち工学部長を経て、42年退官。同年同志社大教授となり、日本原子力研究所大阪研究所長もつとめた。著書に「繊維の化学」「合成物の化学」など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報