桜井(愛媛県)(読み)さくらい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「桜井(愛媛県)」の意味・わかりやすい解説

桜井(愛媛県)
さくらい

愛媛県中央部、今治(いまばり)市の一地区。旧桜井町。『和名抄(わみょうしょう)』の桜井郷の地で、伊予国分尼寺塔跡(県指定史跡)がある。江戸時代には漆器を製造し、これを舟で行商するようになった。椀舟(わんぶね)とよばれる行商は分割払いを用いて伊予行商の中心となり、のちに全国的に知られる伊予割賦(かっぷ)販売のもととなった。小規模な海水浴場と綱敷天満(つなしきてんまん)神社があり、志島ヶ原は国指定名勝となっている。国道196号が通じ、JR予讃線伊予桜井駅がある。

[横山昭市]

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