桂枝雀(2世)(読み)かつらしじゃく[にせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「桂枝雀(2世)」の意味・わかりやすい解説

桂枝雀(2世)
かつらしじゃく[にせい]

[生]1939.8.13. 兵庫,神戸
[没]1999.4.19. 大阪
落語家。本名前田達(とおる)。父の死で高校進学をあきらめ三菱電機に入社。その後,定時制高等学校に通い,手品師の弟と組んで素人参加演芸番組で漫才を演じて賞金を稼ぐ。神戸大学文学部を中退し,1961年 3世桂米朝に入門,桂小米となる。独自の芸風頭角を現し,1973年 2世桂枝雀を襲名。その頃から人気が急上昇,派手な動作と多彩な表情で落語に興味のなかった多くの人たちをひきつけた。1979年テレビ番組『枝雀寄席』(朝日放送 ABC)で落語と司会を務め,1981年大阪サンケイホールで 6日間連続の独演会を成功させた。東京にも進出し,人気は全国的となり,1984年歌舞伎座で独演会を開催。英語落語や新作落語にも取り組み,テレビドラマ『なにわの源蔵事件帖』(日本放送協会 NHK),映画『ドグラ・マグラ』に主演するなど活躍。しかし,笑いに対して生真面目に取り組む姿勢からうつ病となり,自殺をはかり心不全で亡くなった。得意ネタは『代書屋』『鷺捕り』『親子酒』,新作『雨乞い源兵衛』(小佐田定雄作)など 60席あまり。

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