根本悪(読み)コンポンアク

デジタル大辞泉 「根本悪」の意味・読み・例文・類語

こんぽん‐あく【根本悪】

《〈ドイツradikales Böseカント用語自己愛ナルシシズム)の衝動に従おうとする生まれつきの傾向。一切の悪への性癖根源をなすもので、道徳法則による善の原理によってこの悪の原理を克服しようとする戦い宗教立場とされる。

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精選版 日本国語大辞典 「根本悪」の意味・読み・例文・類語

こんぽん‐あく【根本悪】

〘名〙 (das radikales Böse) ドイツの哲学者カントの用語。人間には先天的に悪に進む傾向があり、道徳に反すると承知で自己中心的な欲望をとげようとする本性があって、それが悪の根源であるという考え方

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世界大百科事典(旧版)内の根本悪の言及

【悪】より

…この考え方は理論的には形相と質料の二元論を克服しているが,倫理学や心理学の立場からみると難点がある。例えばカントは,人間の道徳的意志を理性的な善への意志であるとしたが,その根底に,善意志に反する根本悪の傾向を考えなくてはならなかった。ユングは,キリスト教世界では〈悪はどこから来るか〉という問いは答えられていないと言っている。…

※「根本悪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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