栗田神社(読み)くりたじんじや

日本歴史地名大系 「栗田神社」の解説

栗田神社
くりたじんじや

[現在地名]秋田市新屋栗田町

雄物川堤防近くの砂丘地に木々に囲まれて鎮座する。文化年間(一八〇四―一八)砂防林完成し、住民を飛砂の害から救った秋田藩士栗田定之丞如茂を祀る。安政四年(一八五七)村民が藩に請願して建立した。

秋田藩が新屋あらや村に砂留普請をしたのは享保一三年(一七二八)に始まる。同一七年には「砂除土手普請前前年々普請仕候ヘ共、去冬中夥しき砂吹かかり小家少々潰れ(中略)表町往還砂埋に罷り成」(新屋村肝煎文書)状態で、再三にわたる砂留普請もはかばかしくなかった。寛政九年(一七九七)栗田定之丞が砂留方となって植林事業を推し進め、「出羽国風土記」に「先つ砂場に胡頽ぐみを栽え流砂を留め、それより松苗を植付け、千辛万苦の労を積て遂に松林繁茂し、其功を奏することを得たり。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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