柳生三代記(読み)やぎゅうさんだいき

改訂新版 世界大百科事典 「柳生三代記」の意味・わかりやすい解説

柳生三代記 (やぎゅうさんだいき)

講談。いわゆる武勇物の一つ。柳生流剣術の祖,柳生宗厳(むねよし),その子で将軍指南役となった柳生宗矩(むねのり),およびその嫡男柳生十兵衛三厳(みつよし),三厳の弟柳生又十郎(のちの飛驒守宗冬(ひだのかみむねふゆ))の柳生家3代の物語。ふつう,宗矩,十兵衛三厳,又十郎(宗冬)の3人が中心に演じられ,それぞれの独立した講談もある。宗矩については,沢庵禅師との出会い,十人勝負などが有名である。《柳生旅日記》の十兵衛三厳は,家光の内命を受けて西国大名の動静を探るが,これは道中物の典型として知られている。又十郎(宗冬)については《柳生二蓋笠(にかいがさ)》《奉書試合》が知られ,一席物としてよく演じられる。
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