柞・柞樹・蚊母樹(読み)いすのき

精選版 日本国語大辞典 「柞・柞樹・蚊母樹」の意味・読み・例文・類語

いす‐の‐き【柞・柞樹・蚊母樹】

〘名〙 マンサク科の常緑高木。本州中部以西の暖地に生える。高さ二〇メートル、直径一メートルほどに達する。樹皮は灰白色。葉は長さ五~八センチメートル、幅二~四センチメートルの長楕円形で、時に大きな虫こぶができる。春、紅色の小さい花が総状に集まって咲く。実は卵形のさやとなり毛が密生する。虫こぶはタンニンを含むので染料原料とし、材は堅く、床柱床板のような建築材、櫛(くし)などの器具類、炭、薪に用いられるほか、柞灰(いすばい)を作る。いす。ゆすのき。ひょんのき。ゆしのき。くしのき。《季・秋》〔俳諧・篗纑輪(1753)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報