染着・沁着(読み)しみつく

精選版 日本国語大辞典 「染着・沁着」の意味・読み・例文・類語

しみ‐つ・く【染着・沁着】

〘自カ五(四)〙
① 色や匂いなどがうつりつく。深く染まる。しみいる。しみこむ。
源氏(1001‐14頃)末摘花「手づから、この紅花を書つけ、にほはして見給ふに〈略〉さもやしみつかむと、あやふく思ひ給へり」
※三体詩素隠抄(1622)三「汗が衣にしみつくばかりに集りたとぞ」
② 心が深く執着する。心に深くとまって忘れられなくなる。
※源氏(1001‐14頃)東屋「若き御どち物聞え給はんは、ふとしも、しみつくべくもあらぬを」
※浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)上「気にしみつきし妓(よね)がこと」
平素の習慣がしみこんでいて、なかなか抜けなくなる。くせになる。
洒落本・浪花今八卦(1773)桐薹卦「やっぱり新造ぶれの音声しみ付てある也」
④ 実直な言動をとる。地道にふるまう。
※洒落本・浪花色八卦(1757)宝結卦「大事の物じゃけれどひとつ旦那へ上げませうと、有馬小間物売がいふ様なしみついた挨拶してひき出すを聞ば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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