柏原(兵庫県)(読み)かいばら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「柏原(兵庫県)」の意味・わかりやすい解説

柏原(兵庫県)
かいばら

兵庫県中東部、氷上郡(ひかみぐん)にあった旧町名(柏原町(ちょう))。現在は丹波(たんば)市の中南部を占める一地区。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)新井(にい)村と合併。2004年(平成16)氷上町青垣(あおがき)町、春日(かすが)町、山南(さんなん)町、市島(いちじま)町と合併、市制施行して丹波市となる。旧町域は、三方を中国山地に囲まれ、加古川の支流柏原川の谷が北に開いている。西南丹波篠山(ささやま)市とを結ぶ京街道は、いまは鐘ヶ坂(かねがさか)トンネルを通る国道176号となり、またJR福知山線が南北に走る。江戸時代は郡内唯一の陣屋町(織田氏柏原藩2万石)として栄え、明治以後は郡行政の、現在は丹波地域広域行政の中心である。産業は農業を主とし、肉用牛の飼育が盛ん。特産物に丹波グリ、シイタケがある。柏原藩陣屋跡は国の史跡で、現在は陣屋が復元されている。近くに織田氏伝来の武具書画などを展示した歴史民俗資料館がある。柏原八幡(はちまん)神社の本殿拝殿は1582年(天正10)豊臣(とよとみ)秀吉が再建させたもので国の重要文化財。県の天然記念物大ケヤキの根が川をまたいでつくる「木の根橋」は町のシンボルである。

大槻 守]

『『柏原町誌』(1975・柏原町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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