林 重男(読み)ハヤシ シゲオ

20世紀日本人名事典 「林 重男」の解説

林 重男
ハヤシ シゲオ

昭和・平成期の写真家



生年
大正7(1918)年

没年
平成14(2002)年9月1日

出生地
東京・上大崎

学歴〔年〕
東京写真専門学校(現・東京工芸大学)〔昭和14年〕卒

経歴
昭和14年文化映画のカメラマンを志し、横浜シネマに入社。15年徴兵され、渡満。18年除隊後、東方社に入社。対外宣伝グラフ雑誌「FRONT」の写真を撮るために、中国、東南アジアを巡る。20年日本学術研究会議原子爆弾災害調査特別委員会調査団の委嘱により、日本映画社原爆記録映画撮影班スチール写真担当として、広島・長崎の爆心地を撮影。焼け残った広島商工会議所と旧中国新聞社新館の屋上から360度のパノラマ写真を撮り、原爆の威力を克明に記録した。このときのオリジナルネガフィルムは、米軍から提出命令を受けたが、プリントを渡して守った。戦後、商業写真家として独立、商品撮影やファッションなど幅広く活躍する。傍ら、57年に写真関係者約550人が結集して発足した反核・写真運動メンバーとして活動。59年同会運営委員長に就任。平成13年爆心地を撮影したオリジナルネガフィルムを広島市の原爆資料館に寄託した。著書に「爆心地ヒロシマに入る―カメラマンは何を見たか」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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