松川除(読み)まつがわいけ

日本歴史地名大系 「松川除」の解説

松川除
まつがわいけ

青島あおしま地区の地先、庄川の扇頂部弁才天前べんざいてんまえ付近に続く左岸堤防で、根固めに松を植えたことからこの名がある。通称は「まつがいけ」。築堤以前の庄川は現在の合口ごうぐちダム付近から野尻のじり川・新又あらまた川・中村なかむら川・千保せんぼ川・中田なかだ川など幾筋もの流れとなって礪波となみ平野を流下し、本流洪水のたびに変わった。天正年間(一五七三―九二)には千保川が主流となっていたが、同一三年一一月二二日の大地震で金屋かなやの東方で川水が堰止められ、その水が東に抜けて中田川筋が千保川に劣らぬ流路となった(「加越能三ヶ国御絵図被仰付候覚書」加越能文庫)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報