松原客館(読み)まつばらかっかん

山川 日本史小辞典 改訂新版 「松原客館」の解説

松原客館
まつばらきゃっかん

越前国敦賀津(現,福井県敦賀市)付近に設けられた渤海使(ぼっかいし)迎接用の施設。9世紀初めに能登客院(のときゃくいん)(現,石川県富来(とぎ)町付近か)とともにおかれたらしい。延喜雑式では気比(けひ)神宮司の管理に任されているが,919年(延喜19)には松原駅館ともみえ,越前国司の管理不行届が責められており,北陸道の松原駅に併設されていた可能性がある。遺構は未検出。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の松原客館の言及

【敦賀[市]】より

…この地にはまた松原駅が置かれていた。大陸との通交のために松原客館も設けられ,919年(延喜19)若狭国丹生浦に来た渤海使の一行をここに遷送したのをはじめとする渤海使の接遇や,その後の宋商の来航に際してしばしばこれが利用された。1065年(治暦1)9月1日の太政官符には,敦賀津において勝載料と号して運上調物を割き取ることを禁じたことが見える。…

※「松原客館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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