東細江町(読み)ひがしほそえまち

日本歴史地名大系 「東細江町」の解説

東細江町
ひがしほそえまち

[現在地名]下関市観音崎かんのんざき町・岬之はなの町の辺り

西南部にしなべ町の南西、関門かんもん海峡に面し、永福えいふく寺のある小高い山を囲むように立地する細長い町。海岸を通る往還を挟む両側町。

元文四年(一七三九)の「地下上申」添付絵図には「大細井丁」とあり、海岸に番所が描かれている。古くは観音崎ともよばれていたが、これは当地にある永福寺の観音からきたものという。

またこの辺りは、「通航一覧」に「下関之内城越より南部之間に卯辰之節は船繋甚悪敷、三百目屋敷之鼻と申処迄は、観音崎吹かはし候故泊りよし」とあり、船泊に適した地であった。

「地下上申」添付絵図に描かれている海岸の王司鼻おうじばな番所は津口つぐち番所とともに関門海峡で重要な番所であった。天保七年(一八三六)五月、長府藩から幕府監察戸川播磨守に対する報告に、津口番所・王司鼻番所へ家老一、物頭一、馬廻侍五、大筒一、以上従者とも一七〇人を差し出し、遠見番所は王司鼻へ一ヵ所設け、これは正徳五年(一七一五)に仙石丹波守の指図で抜荷改のため建て置いたとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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