東条御厨・東条郷(読み)とうじようのみくりや・とうじようごう

日本歴史地名大系 「東条御厨・東条郷」の解説

東条御厨・東条郷
とうじようのみくりや・とうじようごう

現鴨川市東部から天津小湊あまつこみなと町域にわたる一帯に比定される。「吾妻鏡」元暦元年(一一八四)五月三日条に東条御厨とみえ、当地は前年の寿永二年(一一八三)に源頼朝から伊勢神宮に寄進されていたが、頼朝はこの日改めて伊勢外宮分として寄進し、太神宮権禰宜会賀(度会)生倫(光倫・光生とも)が給主となった。日蓮は弘安二年(一二七九)一〇月一日の書状(日蓮聖人遺文)に「安房国長狭郡之内東条の郷、今は郡也、天照太神の御くりや、右大将(源頼朝)家の立始給日本第二のみくりや、今は日本第一なり」と記している。寿永元年八月一一日には頼朝が北条政子安産祈願のため三浦義村を東条寺(現天津小湊町天津の神明神社か)に派遣、文治元年(一一八五)一二月四日には生倫が東条御厨寺に参籠したところ、霊夢の奇瑞があったので頼朝から飛竜と称する馬が同寺に奉納された(吾妻鏡)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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