東山(旧町名)(読み)ひがしやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東山(旧町名)」の意味・わかりやすい解説

東山(旧町名)
ひがしやま

岩手県南東部、東磐井郡(ひがしいわいぐん)にあった旧町名(東山町(ちょう))。現在は一関(いちのせき)市の中央部北寄りを占める地域。1955年(昭和30)長坂(ながさか)、田河津(たこうづ)の2村が合併して東山村となり、1958年松川(まつかわ)村を編入して町制施行。2005年(平成17)一関市に合併。JR大船渡(おおふなと)線、国道343号が通じる。旧町域の大部分は丘陵地で、砂鉄(さてつ)川流域で稲作、葉タバコ栽培を中心とする農業が行われていた。伝統的産業に手漉(てす)き和紙(東山紙(とうざんし))、紫雲石の硯(すずり)があり、石灰資源に恵まれ、東北開発のセメント工場(現、三菱マテリアル岩手工場)やその関連企業が立地する。1954年には明治乳業(現、明治)と雪印乳業(現、雪印メグミルク)が集乳を開始、1968年に町立畜産センター(後に廃止)が開設するなど近年は酪農に力を入れてきた。砂鉄川上流に巨岩と渓谷美を誇る猊鼻渓(げいびけい)(国の名勝)がある。

[金野靜一]

『『東山町史』(1978・東山町)』


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