本願寺函館別院(読み)ほんがんじはこだてべついん

日本歴史地名大系 「本願寺函館別院」の解説

本願寺函館別院
ほんがんじはこだてべついん

[現在地名]函館市東川町

南を津軽海峡、北を函館港に挟まれた市街地にある別院。浄土真宗本願寺派、本尊阿弥陀如来。本山の京都西本願寺は江戸時代の中期頃から蝦夷地の開教を計画したが、明和七年(一七七〇)松前藩と本願寺東派専念せんねん(現松前町)により差止められていた。幕府の蝦夷地直轄地化を契機として、天保四年(一八三三)本山の命を奉じて但馬の僧大虫が渡島、濁川にごりかわ(現森町)に但馬の信徒二十数戸を移住させ、豪商国領平七の助力を得て本願寺掛所を置いたが、志半ばにして病死した。安政三年(一八五六)その志を南部願乗がんじよう(現青森県川内町)の法恵(のちの堀川乗経)が受けて渡島し、文久元年(一八六一)現在地に一寺を建立して願乗寺と称したのに始まる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報