木舟新田村(読み)きぶねしんでんむら

日本歴史地名大系 「木舟新田村」の解説

木舟新田村
きぶねしんでんむら

[現在地名]茅野市金沢かなざわ 木舟

金沢村の北部にあって、北は田沢たざわ村、西は坂室さかむろ新田村、南は大池おおいけ新田村、東は柏木かしわぎ新田村に接する。みや川が西北流し、甲州道中(現国道二〇号)に沿う散村である。嘉禎三年(一二三五)の奥書をもつ「祝詞段」には「田沢鎮守稲荷明神アヲヤ木権現木船明神」とみえている。この「木船明神」は木舟神社として現存している。

戦国時代の史跡に木舟西部のシラサレ山がある。東側の崖下には宮川が流れ、西南への山道金沢峠に通ずる。視界がよく、甲斐の国に対する諏訪氏の陣場とされ、シラサレ城跡とよばれている。神使御頭之日記には享禄元年(一五二八)の武田氏と諏訪氏の対陣について「此年甲州武田方ト執合ニ付テ、八月廿二日ニ武田信虎堺ヘ出張候テ、(中略)同廿六日青柳ノ下ノシラサレ山ヲ陣場トシテ、安芸守頼満(諏訪)・嫡子頼隆対陣ヲ御取候テ」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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