有ぬ(読み)あられぬ

精選版 日本国語大辞典 「有ぬ」の意味・読み・例文・類語

あられ‐ぬ【有ぬ】

〘連体〙 (動詞「あり(有)」に、可能の助動詞「る」の未然形が付き、それに打消の助動詞「ず」の連体形が付いて一語化したもの) そうあってはならない。思いもかけない。とんでもない。似合わしくない。あられもない。あらぬ。
※宇治拾遺(1221頃)五「一乗寺僧正は、大嶺へは二度通られたり。蛇をみる法行はるる。又龍の駒などを見などして、あられぬありさまをして、行ひたる人なり」
※浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(1712頃)上「おはぐろ落としつあられぬさまで」
[語誌]類義の「あらぬ」より主観的意味合いが強い。近世には漸次「あられもない」が用いられるようになる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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