更紙(読み)ざらがみ

世界大百科事典 第2版 「更紙」の意味・わかりやすい解説

ざらがみ【更紙 groundwood paper】

下級印刷用紙の俗称で,印刷用紙Dに分類される。機械パルプを主原料とし,多少の化学パルプを加えて作る。広告ちらしなどの一時的印刷物に用いる。古紙を主体にした印刷泉貨紙との区別もはっきりしない。上(じよう)更紙は印刷用紙Cに相当するもので,化学パルプの混入率が高くなり,おもに雑誌の本文,事務用紙,学習用紙に使用されるが,古紙利用が進むにつれ原料組成だけでの紙の等級分けは困難になった。【臼田 誠人】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「更紙」の意味・わかりやすい解説

更紙
ざらがみ

機械パルプを主原料とし、これにつなぎとして少量の化学パルプを配合して抄造して得た紙。主として下級印刷紙として使用する。JIS(ジス)(日本工業規格)の印刷用紙Dでは、化学パルプの配合率40%未満で残余砕木パルプ(機械パルプ)と規定し、また紙は均質かつ不透明で両面印刷に耐え、白または白に近く、(つぼ)量は50~150g/m2の範囲にある薄手から、かなり厚手の紙までが規定されている。坪量52g/m2のものに限れば新聞巻取紙を裁断したものに性質は近い。広告ちらしなど一時的印刷物に多く使用される。

[御田昭雄 2016年4月18日]

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世界大百科事典内の更紙の言及

【印刷用紙】より

…印刷効果を高めるために白色顔料に結合剤を加えて作った塗工液を塗って表面平滑性を改善したのが塗工紙で,塗工処理をしないのが非塗工紙である。後者は化学パルプの含有量が100%,70%以上,70~40%,40%未満を規準として印刷用紙A,B,C,Dに分類され,Aを上質紙,Bを中質紙,Cを上更紙(じようざらがみ),Dを更紙と呼んでいる。印刷用紙Aは書籍,ポスター,教科書など商業印刷一般に用いられ,印刷用紙Bも書籍,教科書,雑誌などに用いられる。…

※「更紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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