景幾体歌(読み)けいきたいか(英語表記)kyǒnggich'ega

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「景幾体歌」の意味・わかりやすい解説

景幾体歌
けいきたいか
kyǒnggich'ega

朝鮮の詩歌形態の一つ。景幾何如歌,別曲体ともいう。高麗高宗2 (1215) 年頃から李朝中期まで書かれた比較的長い連詩。形態は1つの連が2節に分れ,「景それどうでしょうか」または「景幾何如」というリフレーンが付く。基本音数律は3・3・4調。貴族階級が享有した高踏的文学。李朝にいたり形式と内容がだんだんくずれ,歌辞 (カサ) という形式に発展したと思われる。代表的作品には『翰林別曲』 (高麗諸儒作) ,『関東別曲』 (高麗安軸作) ,『竹渓別曲』 (高麗安軸作) ,『霜台別曲』 (李朝権近作) などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「景幾体歌」の意味・わかりやすい解説

景幾体歌 (けいきたいか)

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世界大百科事典(旧版)内の景幾体歌の言及

【別曲】より

…朝鮮の歌謡。はじめは正楽や雅楽に対して,高麗・李朝初期の歌謡名の末尾に付された曲の呼称であったが,転じてジャンル名となる。〈曲〉とは〈歌〉(ノレ)の意。〈別曲〉は中国の楽府(がふ)や楽章などとは違う,朝鮮固有の俗楽または郷楽をさし,別途に作られた歌という意味を表す。別曲の代表作は《翰林別曲》で,高麗の高宗朝(1214‐59)に作られ歌壇に大きな影響を与えた。当時の武人政権のもとで翰林院(詞命をつかさどる官庁)にいた儒臣たちが合作したもので,翰林院における生活断面を八節に分けて歌っており,彼らの享楽的であると同時に風雅な生活感情を表現している。…

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