明見郷(読み)あかみごう

日本歴史地名大系 「明見郷」の解説

明見郷
あかみごう

和名抄」所載の郷。近江国野洲郡明見郷の例により「安加三」とよむ。「新撰美濃志」「日本地理志料」は現揖斐いび谷汲たにぐみ村南東部、根尾ねお川沿いの長瀬ながせ地区赤石あかいしを中心として、同地区の南半分および西の同村名礼なれ大洞おおほら地区、現同郡大野町稲富いなどみ地区木振きぶり更地さらじを加えた一帯を郷域としている。「大日本地名辞書」は現大野町北東部の富秋とみあき地区木振・寺内じないと推定し、また一説としてその西の豊木とよき西郡さいぐん地区をあげている。

明見郷
あかみごう

「和名抄」高山寺本は「安加三」(アカミ)、東急本は「安加美」と訓ずる。諸本ともに南郷北郷があったとするが、古代文献にはみえない。明見庄は当郷に成立したものであろう(長保三年六月二六日「平惟仲施入状案」高野山文書ほか)。郷域は「日本地理志料」は現守山市のほぼ中央部を南郷、同市北部を北郷とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報