日枝神社(東京都)(読み)ひえじんじゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日枝神社(東京都)」の意味・わかりやすい解説

日枝神社(東京都)
ひえじんじゃ

東京都千代田区永田町に鎮座祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)・国常立(くにとこだち)神・伊弉冉(いざなみ)神・足仲彦尊(たらしなかつひこのみこと)を配祀(はいし)。武蔵(むさし)国川越(かわごえ)城主太田道灌(どうかん)は江戸築城に際して、江戸鎮護の神として川越無量寿(むりょうじゅ)寺の鎮守山王権現(ごんげん)を城内に勧請(かんじょう)、1478年(文明10)に創建された。徳川家康が1590年(天正18)江戸入城のおり、城内の紅葉山(もみじやま)に遷(うつ)し、さらに半蔵門(はんぞうもん)外に遷座。ついで明暦(めいれき)の大火(1657)にあって焼失したのを機に、1659年(万治2)将軍徳川家綱(いえつな)の命により、現社地に社殿を造営した。江戸府内第一の名社として歴代将軍の崇敬厚く、例祭の山王祭(まつり)(天下祭、御用祭ともいう)は豪華盛大を極め、その神輿(みこし)は江戸城内に入り将軍の上覧を得た。1868年(慶応4)の神仏分離令によって山王社・山王権現の社号を日枝神社に改めるとともに、明治天皇の東京遷都に際して勅祭社に準ぜられた。旧官幣大社。例祭日6月15日。社宝は国宝一文字則宗(いちもんじのりむね)銘糸巻太刀(たち)、明治天皇の寄進になる国重要文化財の備州長船長光(びしゅうおさふねながみつ)など。

[岡田荘司]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例