日本大百科全書(ニッポニカ) 「日吉(鹿児島県)」の意味・わかりやすい解説
日吉(鹿児島県)
ひよし
鹿児島県西部、日置郡(ひおきぐん)にあった旧町名(日吉町(ちょう))。現在は日置市の中央部を占める。旧日吉町は1955年(昭和30)日置、吉利(よしとし)の2村が合併して町制施行。頭文字を重ねて町名とした。2005年(平成17)伊集院(いじゅういん)町、東市来(ひがしいちき)町、吹上(ふきあげ)町と合併、市制施行して日置市となった。近世は薩摩(さつま)藩外城(とじょう)制下の郷で、麓(ふもと)集落が置かれた。東シナ海に臨む西部は吹上浜(ふきあげはま)県立自然公園の一部をなす砂丘地帯、内陸部はシラス台地と中生層の丘陵地。米、ミカン、タバコなどのほか肉牛やブロイラーなど畜産が盛ん。明治以来日置瓦(がわら)の産地で知られるが最近はやや低調。ほかに漁網生産がある。日置八幡(はちまん)神社では、毎年6月の田植祭に泥まみれになって豊作を祈願する奇祭「せっぺとべ」(精いっぱい跳べ)が行われる。
[白石太良]
『『日吉町郷土史』(1973・日吉町)』▽『『日吉町郷土誌 上巻』(1982・日吉町)』
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