新宮(町)(読み)しんぐう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「新宮(町)」の意味・わかりやすい解説

新宮(町)
しんぐう

福岡県北西部、糟屋郡(かすやぐん)にある町。1954年(昭和29)町制施行。1955年立花(たちばな)村と合併。町名は、磯崎(いそざき)神社を奉遷して、新宮浦と名づけたことによる。南端の立花山(367メートル)をはじめ低い山地、丘陵が広く分布する一方、玄界灘(げんかいなだ)沿岸に砂丘が発達し、その内側に湊(みなと)川の小沖積低地が展開、北西沖合いに相島(あいのしま)がある。JR鹿児島本線、西日本鉄道貝塚線、国道3号が走る。主産業は稲作、ミカン栽培を中心とした農業と近海漁業であるが、福岡市に隣接しているため、工場の進出や宅地化が進んだ。特別天然記念物であるクスノキ原始林の茂る立花山や、海水浴場として知られる新宮海岸、沖合いの相島などは玄海(げんかい)国定公園に属する。また、国指定重要文化財の横大路家住宅(よこおおじけじゅうたく)(千年家)や、最澄(さいちょう)ゆかりの独鈷(とっこ)寺などがある。面積18.93平方キロメートル、人口3万2927(2020)。

[石黒正紀]

『『新宮町誌』(1997・新宮町)』


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