新井宿村
あらいじゆくむら
[現在地名]大田区山王一―四丁目・中央一―四丁目・同七丁目・南馬込三―四丁目・大森西一丁目・同四丁目・大森北一丁目・同五丁目、品川区南大井六丁目
不入斗村の西に位置し、北は大井村（現品川区）・馬込村。北部は山王台地で新井宿山（木原山、池上道の西側、八景坂の下）があり、南部は台地下の低湿地。大井村から当村を経て池上本門寺へ至る道（池上道）が通る。中世から近世初期にかけての頃は新井（村）ともいわれた。文明一八年（一四八六）六月から翌年にかけて東国を旅した京都聖護院の道興は、江戸からの帰路芝浦（現港区）を過ぎて「あら井といへる所」に至り、その風景を「蘆まじりおふるあらゐのうちなびき 波にむせべる岸の松風」と詠んでいる（廻国雑記）。北条氏所領役帳によれば、江戸衆の梶原日向守が「六郷内 新井宿」に役高五一貫文の所領を有していた。また同衆の太田新六郎の寄子が「六郷内 根岸」の、もと梶原氏領であった役高一六貫文の地を配分されていた。根岸は新井宿内の小名根岸に比定される。
天正二〇年（一五九二）二月二四日の知行書出（木原家文書）によると、徳川家康は木原七郎兵衛（吉次）に「新井村」を宛行っている。
新井宿村
あらいじゆくむら
[現在地名]川口市新井宿
南北に通る日光御成道を隔て西新井宿村の東に位置する。北側の赤山持添の源長寺上知を帯状の輪で囲み、台地と低地から成立つ。浦寺村（現鳩ヶ谷市）・西新井宿村・根岸村の間に飛地がある。田園簿では田一三五石余・畑一四〇石余で、関東郡代伊奈領一四二石余・旗本荒川領一三四石の相給。元禄郷帳では高一四二石余、国立史料館本元禄郷帳では伊奈領となっており、この間に荒川領分が西新井宿村として分村したと思われる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
