断熱過程[大気](読み)だんねつかてい[たいき](英語表記)adiabatic processes in atmosphere

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「断熱過程[大気]」の意味・わかりやすい解説

断熱過程[大気]
だんねつかてい[たいき]
adiabatic processes in atmosphere

大気中では,空気塊が急激に上昇や下降をするときに断熱変化に近い過程をとる。そのため気象学では,小さなひと塊の空気をとり,それが準静的に断熱変化をした場合に状態量がどのように変化するかを調べる。断熱過程は次の 4段階に分けられる。(1) 乾燥級 空気は乾燥断熱で変化し,高さ 100mの上昇に対し約 1℃の割合気温が降下する。(2) 成雨級 湿潤断熱的に変化し,水蒸気の一部は水滴になり,残りは水に対して飽和蒸気圧を保って 0℃にまで達する。上昇に伴って温度は下がる。(3) 成ひょう(雹)級 上昇しても気温は変化せず,凍結点(0℃)で一定である。この間に系内の水滴がすべて氷に変わる。(4) 成雪級 空気は飽和状態を続け,上昇するとともに冷却する。水蒸気は昇華によって氷晶となり,氷に対して飽和蒸気圧を保つ。

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