斎(いわい)(読み)いわい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「斎(いわい)」の意味・わかりやすい解説

斎(いわい)
いわい

「いはふ」の名詞形。穢(けがれ)を忌み、心身を清浄にして、神を祀(まつ)ることをいう。また、「斎をする所」「斎をする人」をもいう。転じて祝賀する意に用いるようになった。『日本書紀』には、「斎主神(いわいぬしのかみ)を斎の大人(うし)と号す」(神代下)、「時に道臣命(みちのおみのみこと)に勅(みことのり)したまはく、今高皇産霊尊(たかみむすびのみこと)を以(もち)て朕親(われみづか)ら顕斎(うつしいわい)を作(な)さむ。汝(いまし)を用(も)て斎主として」(神武(じんむ)紀)などとみえる。現在も神社祭式では、祭員の長(宮司)となる者を斎主という。また、忌み慎んで神に仕える意の「斎(いつ)く」の語をも分化した。

[沼部春友]

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