敷曼荼羅(読み)しきまんだら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「敷曼荼羅」の意味・わかりやすい解説

敷曼荼羅
しきまんだら

灌頂の際,壇上に敷いて投花の儀を行うのに用いられる両界曼荼羅。一般的な掛曼荼羅では,諸尊が一様にこちら向きなのに対し,本来の立体的曼荼羅のように,周囲の諸尊がみな中心を向くように描かれるのが特色。彩色尊形のものとしては,天永3 (1112) 年作の教王護国寺の両界曼荼羅が唯一の古い遺例。

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世界大百科事典(旧版)内の敷曼荼羅の言及

【曼荼羅】より

…チベットには壁画が多いが,中国や日本では,曼荼羅は多く絹や紙に彩画され,ときに金銀泥で描かれることもある。その多くは掛幅仕立で,灌頂(かんぢよう)の際などには,壇上に敷曼荼羅(諸尊は中心の如来に向かう)が敷かれる。四種曼荼羅のうち,尊像が描かれる大曼荼羅が,最も多く用いられる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」