掻紛(読み)かきまぎる

精選版 日本国語大辞典 「掻紛」の意味・読み・例文・類語

かき‐まぎ・る【掻紛】

〘自ラ下二〙 (「かき」は接頭語)
① 入りまじってわからなくなる。しのびかくれる。
※栄花(1028‐92頃)若ばえ「昼などもかきまぎれおはします程に、ただにもあらずなり給にけるを」
② 特に秀でた所もなく、人目につかなくなる。ありふれている。
源氏(1001‐14頃)薄雲「世の常の覚えにかきまぎれたらば、さるたぐひなくやはと思ふべきを」

かき‐まぎらわ・す ‥まぎらはす【掻紛】

〘他サ四〙 (「かき」は接頭語) 他の事物と一緒にして、わからないようにする。目だたないようにする。
※相模集(1061頃か)「かきまぎらはして、こまやかにやりてしかば、あやしう見ときがたかりしを」

かい‐まぎ・る【掻紛】

〘自ラ下二〙 (「かい」は接頭語) 人目につかないようになる。他のものと入りまじってわからなくなる。
※浜松中納言(11C中)三「ともかくもいはで、かいまぎれて出で給ぬ」

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