括染(読み)くくりぞめ

精選版 日本国語大辞典 「括染」の意味・読み・例文・類語

くくり‐ぞめ【括染】

〘名〙 布を部分的に、つまんで糸でくくって染め残しをつくり、いろいろの模様を染めること。また、そのように染めたもの。絞り染。くくしぞめ。くくし。
源氏(1001‐14頃)関屋「旅姿どもの、色々の襖(あを)のつきづきしき縫物、くくりそめのさまも、さるかたにをかしう見ゆ」

くくし‐ぞめ【括染】

※俳諧・類船集(1676)奴「百官に縫殿あり。くくしぞめ物もぬふ也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の括染の言及

【紬糸紡績】より

…綿織物のように見えるが,絹独特の底光りがするので,高級な着物地,羽織地として好まれる。絣地を作るための染色は,染め残す部分を糸でくくって染液につける括染(くくりぞめ)が使用され,紺,緑,焦茶,黄系統の渋みのある色である。紬糸は,絹のくず繊維を綿紡織と同様の方法で紡績する絹紡紬糸(けんぼうちゆうし)とは異なる。…

※「括染」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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