打聞(読み)うちぎき

精選版 日本国語大辞典 「打聞」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぎき【打聞】

〘名〙 (「うち」は接頭語)
① ちょっと聞くこと。ふと耳にはいったことばや話。
源氏(1001‐14頃)常夏「深き筋思ひえぬほどのうちぎきにはをかしかなり」
② 聞いたままを書きつけておくこと。また、その書きつけ。聞き書き。
※枕(10C終)二七六「人のいひかはしたる歌の聞えて、うちぎきなどに書き入れらるる」
③ 聞いた歌を書きとめたもの。私撰集
梁塵秘抄口伝集(12C後)一〇「詠む歌には、髄脳、打聞など云ふ多くありげなり」

うち‐き・く【打聞】

〘他カ四〙 (「うち」は接頭語) ちらりと聞く。ふと聞く。
※千穎集(999‐1106頃)「さよふけてひとりねざめにうちきけばもみぢふきしくこがらしのかぜ」

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