戦争法規(読み)せんそうほうき

百科事典マイペディア 「戦争法規」の意味・わかりやすい解説

戦争法規【せんそうほうき】

戦争を行うに当たり交戦当事者が守るべき法規交戦法規ともいう。戦時における害敵行為の制限,非戦闘員の保護を主たる内容とし,さらに中立国権利・義務規定をも含み,戦時国際法と同義に使われることもある。戦争一般に関するものとして開戦,捕虜,非戦闘員・文化財の保護,集団殺害の防止・処罰ジェノサイド条約)に関する条約がある。また特に戦闘法規と呼ばれるものに陸戦法規海戦法規空戦法規(案のみ)がある。
→関連項目軍艦戦争ハーグ平和会議

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世界大百科事典(旧版)内の戦争法規の言及

【戦時国際法】より

…戦時に諸国間に適用される国際法規の総称であり,平時に諸国間の関係を規律するいわゆる平時国際法(国際法)と対置される概念である。戦時国際法は戦争状態を前提とし,その状態の下で交戦国間の敵対行為等を規制する戦争法規ないし交戦法規と,交戦国と中立国間に適用される中立法規とからなる(中立)。 国際法は,沿革的には中世末期以来まずヨーロッパの騎士道精神やキリスト教の影響の下に,またローマ法や教会法の諸概念を援用しつつ,戦争法規として形成されはじめた。…

【ハーグ陸戦条約】より

…この条約は,締結国がその陸軍軍隊に対し,条約付属の〈陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則〉に適合するよう訓令を発することを要求している。同規則は,当時の戦争法規を法典化したもので,交戦資格,俘虜,害敵手段の制限,間諜,軍使,降伏条約,休戦,占領等に関する56ヵ条に及ぶ条文を含む。それらは,陸戦のみならず,戦争一般に妥当するものとみなされている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」