戎橋(読み)えびすばし

日本歴史地名大系 「戎橋」の解説

戎橋
えびすばし

道頓堀どうとんぼり川に架かる橋で、心斎橋筋しんさいばしすじ二丁目と道頓堀一丁目を結ぶ。江戸時代には北詰は東が道頓堀宗右衛門どうとんぼりそうえもん町、西が同久左衛門きゆうざえもん町、南詰は東が同吉左衛門きちざえもん町、西が同九郎右衛門くろうえもん町。古くはあやつり橋といった。明暦元年(一六五五)大坂三郷町絵図には操橋とあり、寛文期(一六六一―七三)貼札をもつ大坂町中並村々絵図ではもとの橋名を削った上に「えひす橋」と書直しており、この頃に橋名が変わったと思われる。「摂津名所図会大成」には「操橋」として「今の戎橋の異名なり、いにしへあやつりさかんなりし時ハ浄留理芝居四箇所もありて諸見物かならず此橋を渡りしゆへ、世俗異名して斯ハよべり」とある。「浪華の賑ひ」は戎橋の筋について「今宮の戎社に参詣正当しようとうなるが故に斯ハ名づけしものなるべし」と述べ、三郷住民の間での今宮戎いまみやえびす神社(現浪速区)に対する信仰が高まるにつれて、橋名もそれにあわせて変化した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報